「17 Live(イチナナ)、Live.me、ミラティブ・・・」など、スマートフォンでライブ配信ができるアプリが次々に登場しています。
そこで、スマートフォンで配信するときに気になるのがマイクの音質です。
スマートフォンのカメラ機能は進化する一方で、マイクの性能は決して良いとは言えません。
私も「スマートフォンで高音質な録音がしたい」と悩み、外付けのマイクや周辺の機材を何回も買い替えてきました。
そんな私の悩みに応えてくれたのが、2019年2月20日に発売されたAPOGEE HypeMiCです。
HypeMiCはスマートフォンに接続できる高音質なマイク。
私の場合は、PCもスマートフォンもHypeMiCだけで録音しているほど。
そこで、今回はAPOGEE HypeMiCを使ってみてのレビューをします。
「APOGEE HypeMiC」はどんなマイク?
APOGEE(アポジー)は、iPhoneやiPadなどのiOS端末向けのオーディオ機器をつくるアメリカのメーカー。
私はAPOGEEというメーカーを知らなかったのですが、じつはAppleの公式サイトでもiPhoneアクセサリとして扱われていたりします。
今回紹介するHypeMiCもiOS端末向けのコンデンサーマイクでPCとiPhone両方で使うことができます。
アナログ・コンプレッサー内蔵
HypeMiCの特長の1つはコンプレッサーが内蔵されていること!
マイク本体だけで、3段階に設定されたコンプレッサーをボタン1つで使うことができます。
マイクから離れても小さい音を拾い上げてくれるので、ボリュームの大小が少ない滑らかな録音や配信ができるのです。
持ち運びやすいマイク本体と付属品
マイク本体と付属品をティッシュ箱より小さい専用ケースに収納することができます。
なぜかというと、マイク本体やポップガードが小さく作られているから。
バッグなどにも簡単に入るので持ち運びに便利です。
iPhoneやiPadですぐ使える
iPhoneやiPadなどのiOS端末で使うときはケーブルを1本挿すだけ!
録音や配信アプリを開始すると、勝手にマイクが起動します。
なので、「専用アプリをインストールして・・・」といったような設定はいりません。
購入したらすぐに使うことができます。
Android端末では使わないほうがいい
残念ながらAndroid端末では正しく動きませんでした。
付属のUSB Type-Cケーブルで繋ぎましたが音量が小さかったり、アプリで大きな遅延が発生したり。
商品のパッケージや公式サイトにもAndroidについて触れらていないため、あくまでiOS端末向けのマイクになります。
最低限の起動はしてくれますがAndroidでの使用はオススメしません。
マイクと付属品のレビュー
付属品は以下。
- マイク
- マイクスタンド(三脚部分)
- マイクスタンド(上部)
- ポップガード
- USB Type-Cケーブル
- USB ケーブル
- Lightningケーブル
- 六角レンチ
- 専用ケース
- 取扱説明書
では、1つずつ見ていきます。
マイク本体は小さいけど機能がギッシリ
マイク本体は重さ200グラム、高さ12センチなので、リンゴ1つより軽くて手に収まるサイズ感。
さらに、その小さな本体のなかに全ての機能をつめ込んでいます。
iPhoneのような携帯端末に合わせて簡単に持ち運べます。
実際に、カラオケや家以外での録音で気軽に使うようになりました。
小さいは正義です!
つぎに、マイク本体の機能について説明します。
点滅灯はボリュームやコンプレッサなどの設定を確かめる唯一の機能。
ライト色 | 内容 | 操作方法 |
青 | 通電の知らせ | 端末に接続する |
白 | モニター音の割合 | マイク本体の真ん中のボタンを押す、5段階に調整 |
紫 | コンプレッサー | マイク本体の一番下のボタンを押す、4段階に調整 |
緑&赤 | ボリューム、緑から赤へ変わると音割れ | マイク本体の一番下のボタンを回す |
光るパターンはいくつかありますが、数値や文字で表示されるより分かりやすいです。
なぜなら、色ごとに機能が分けられていて、見ただけで調整している機能が分かるからです。
私もひと通り機能を使ったらすぐに慣れました。
また、すべてのボタンが点滅灯の近くにあるので操作も簡単。
そのほかの詳しい操作の方法やレビューについては、動画を作ったのでよければ確認してください!
本体の下には、イヤホンジャックとケーブルを挿すマイクロUSBの挿し口があります。
後ろにはスタンドを取り付けるネジ穴のみ。
金属の質感は手触りもよく、小さいながらも高級感があります。
ただ、1つだけ気になったのがパーツとパーツの隙間です。
金属部分とボタン周りの樹脂パーツの間にある隙間のせいで、パーツ同士がカタカタと揺れてしまいます。
マイクの性能には影響しませんが、取り付けの甘さは安っぽさを感じさせます。
ほんの少しのことなので、気になるのは自分だけかもしれません。
それでも、ほかの部分の品質が良いだけに残念でした。
ケーブルは3種類
ケーブルはUSB Type-C、Lightningケーブル、USBケーブルの3種類。
LightningケーブルはiPhoneやiPadの接続に使います。
USBとUSB Type-CはPC用です。
ケーブルの長さは各1メートルあり、手もとやデスク上で使うには不満はありません。
自在に動く三脚スタンド
スタンドがとても気に入っています!
三脚タイプのスタンドは、脚が短いのでデスクの上で使うのにオススメ。
脚はそれぞれが独立し、無段階で調節ができます。
なので、マイクを置くスペースがなくても三脚を狙った角度で置くことが可能。
また、脚が緩んできても、付属品の六角レンチを使えば締め直せます。
さらに、足もとはゴムになっているので簡単には滑りません。
デスク上で使うには十分なスタンドですが、手持ちで使うことも考えられています。
脚を内側にたたむと筒状になるのです。
スマホと繋いで屋外で録音したい場合には、ほかにスタンドを買い足す必要はないでしょう。
ポップガードは金属でしっかりとした作り
ポップガードはマイクのサイズに合わせて小さくなっています。
しかし、小さいおかげで専用ケースに無理なく入ります。
使うときに頭を動かないようにしないといけませんが、神経質にならなくても普通に使えるレベル。
ただ、ポップガード全体が金属で作られているので作りはしっかりしています。
また、ガード部分までも金網になっているので長く使っても劣化は少なそう。
ガード部分が布製だと破れやすかったり、匂いが付きやすかったりしてしまいます。
全体的に品質の高いポップガードですが、1点だけ注意しなけらばなりません。
それは、ポップガードとスタンドとの付け根です。
ポップガードはスタンドに挟みこんで取り付けるのですが、根もとに力が加わると曲がってしまいます。
試しに手で力を入れたら、簡単に曲がってしまいました。
ポップガードの角度を調整する場合には根もとには触れないでください。
「APOGEE HypeMiC」マイク性能のレビュー
クリアな音質
スマートフォンで使えるマイクのなかでは断トツで音質が良いです。
低音から高音までまんべんなくクリアに聞こえます。
以前に紹介したaudio-technica AT2020USB+と比べると音に柔らかさを感じ、個人的にはHypeMiCの方が好み。
また、ノイズは気にならない程度に収まっています。
「サー」というUSB接続のコンデンサマイク特有の音はあるものの、ボリュームをかなり大きくしなければほとんど聞こえません。
ノイズの大きさは、PCやiPhoneなど端末が変わっても変化がありませんでした。
コンプレッサー機能を使いこなしてきれいに録音
コンプレッサーは使い方によって、きれいに録音することができます。
コンプレッサーを使うことで、ボリュームの大小の差が小さくなるので滑らかな音になるからです。
私が家の中で録音するときは、コンプレッサーの効きが3段階中の1番弱い設定にしています。
このように、ある程度マイクの前にいる時には設定は低くてよいのですが、ライブ配信などでマイクから離れたりする場合はコンプレッサーの効きを2、3段階と上げる必要があります。
しかし、コンプレッサーを効かせるほど拾いたくない小さな音やノイズが聞こえてしまいます。
たとえば、家のなかにいてもエアコンや蛍光灯の音を拾ったり。
なので、使う場所やマイクとの距離によってコンプレッサーを調節しましょう。
iPhoneで使っても電池消費は激しくない
iPhoneXRでHypeMicを2時間ほど録音に使ってみて、電池の減りが20%ほどでした。
正直、思っていたほど電力を消費しない印象です。
歌の録音でも何時間も連続して録音しませんし、スマートフォンでのライブ配信も2時間より長く続ける人は少ないでしょう。
もちろん、使うアプリや端末によって条件は異なりますが、電池消費に神経質になることはありません。
スマホで簡単に高音質なマイクが欲しい人にオススメ
HypeMiCはどこでも持ち歩けてる気軽さと音質の良さを兼ね備えたマイクでした。
これだけの高音質なマイクを場所を選ばずに使えるのは、マイクやオーディオインターフェイスを買い替え続けた自分には驚きです。
「使いたい時にすぐ使える」というのは、マイクとってとても大切です。
いざ使いたい時にセッティングが面倒だと、使う頻度も減ってしまいますよね。
なので、スマホでライブ配信や録音を頻繁にする方にはHypeMiCは持っておいて損のない1台です。